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#1675
眞本匠
キーマスター

回答させていただきます。
恐らくですが、
①筋力低下で代償としてそうなる
②可動域制限でそうならざるを得ない
③誤学習している
これらの可能性が考えられます。

まず①ですが、スクワット肢位において骨盤前傾位の方が後傾位よりも腸腰筋厚は増加(1)するとの報告や、骨盤前傾位では大腿直筋,骨盤後傾位では大殿筋とハムストリングスで高い筋活動を示した(2)との報告があります。
つまり、腸腰筋筋力や大腿直筋が弱化していると骨盤前傾位でのスクワット肢位が取れない可能性があります。

②の可能性も捨てきれません。
足関節背屈角度の減少は,前後方向の足圧中心距離と強い関係性を認め,足圧中心は後方に移動した(3)との報告があります。

体重心位置は、骨盤中間位に比べ骨盤後傾位で有意に重心が後方に位置した。(2)とあるので、重心位置と骨盤位置の関係性は重要です。

つまり、背屈制限があれば後方重心となるため骨盤も後傾方向に誘導されやすくなります。

最後に③ですが、これは①②の結果を学習した可能性ももちろんあります。ですが、可動域や筋力に問題がないのに、誤学習しているとも考えられます。
この場合は【運動の順序】を指導し直すことを推奨します。
その患者様が[どの関節が動かしやすいか]にもよりますが、まずは股関節骨盤の運動を、膝足関節から分離してできるかを評価します。次に、座位や高座位で骨盤前傾と股関節屈曲の連鎖を学習するような練習を行ってから、スクワット肢位でのフォーム指導を行います。
高座位は本当におススメで、ほぼ立位くらいの姿勢から骨盤前傾股関節屈曲位を作り、椅子を弾いてそのままスクワットなんかも効果的な可能性もあります。

ぜひ、試してみてください^ ^

(1)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/2016/0/2016_0555/_article/-char/ja/

(2)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/2013/0/2013_0840/_article/-char/ja/

(3)足関節角度の文献

https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/2010/0/2010_0_CbPI1329/_article/-char/ja/