返信先: 脊柱管狭窄症について

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#1757
池田拓未
キーマスター

回答させて頂きます^^

私がこの症例を担当すればこうするという考えをシェアできればと思います。

まず始めに現在起きている症状がそもそも脊柱管狭窄症による神経根症状なのかどうかを考える必要があります。その上で、神経根症状の検査(SLR test、slump test、Kempテスト、FNST etc..)を実施します。

ここで神経根症状を疑うような所見が得られれば、次に高位レベルを予測していきます。だいちゃんさんも実施されておりますように、筋力評価、痺れの部位などをヒントに考えていきます。ただし、現状の評価のみでは高位レベルの予測は極めて難しいです。

筋力であれば、足関節や足趾筋力も確認する必要がありますし、痺れであれば、前後面のみならず内外側面も確かめる必要があります。加えて、知覚異常や深部腱反射もヒントになりますね。

それで得られた結果から治療プログラムを立案していきます。

なぜ細かな評価が必要かと言うと、筋出力の改善、筋力の強化などが見込める状態なのかを見極めるためです。

例えば、L4の神経根症状で大腿四頭筋の筋力低下が起きている場合、L4の神経根にこれ以上の負担をかけないということが最優先事項です。それが果たせてから大腿四頭筋の筋力強化と移るようになります。またL4の神経根症状でなければ狭窄症が直接的に大腿四頭筋の筋力低下を引き起こしているわけではないことが考えられるので、大腿四頭筋の筋力強化を最優先事項に置くことができます。

このように治療の順序や改善見込みを考えるために、これらの評価が重要だと考えています。

そのため、運動療法についてはこれらの評価結果により多少異なりますし、画像所見がないことからチャレンジングなアドバイスはできません。
ただ私自身もよく画像所見がない状態で患者さんを担当することはありますが、こういうときには”害を与えないこと”を優先します。ですので、少しでもリスクがあるような介入は行わないかと思います!

  • この返信は1年、 6ヶ月前に池田拓未が編集しました。