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回答させていただきます。
圧迫骨折後の腰痛が原因で、腰椎骨盤帯に付着する筋群のトレーニングが出来ないことは、私も臨床上多く経験します^_^
よって今回は、
【圧迫骨折後の腰椎骨盤帯のトレーニング方法】について解説していきます。
圧迫骨折による禁忌は、椎間関節の屈曲ですね。
よって、ヒップアップでは骨盤後傾が生じ、運動連鎖で椎間関節も屈曲します。
やはり純粋なヒップアップは推奨できません。
なので、ポイントは
①股関節運動の利用
②筋膜連結の応用
③連合反応の応用
④等尺性収縮の利用
この4つと考えています。
【①股関節運動の利用】
大殿筋の起始停止から確認しますと、
起始:仙骨と尾骨の後面,腸骨後方の後殿筋線の後部,胸腰筋膜
停止:腸脛靭帯の近位部,殿筋粗面
となっております。
椎体には付着しておらず、強いて言うならば仙骨尾骨に付着している程度です。
そのため、基本に立ち戻り、椎体に動きを伴わないトレーニングをすればいいわけですね。
例としては、キッキングの抵抗ベクトルを変えてみたり、(詳細はこちらのブログから)↓
https://ptotskillupnote.com/2018/10/15/キッキング運動による筋力トレーニングを行う際/
側臥位で股関節を伸展外転させる方法も、椎間関節の屈曲とは逆方向に連動するためオススメです。
※椎間関節の伸展運動は、骨折部の離解ともとれる動きなので、BKP後や骨折線次第ではリスクともなります。
【②筋膜連結の利用】
大殿筋は、
胸腰筋膜を介して広背筋や最長筋、多裂筋、対側の大殿筋と筋連結し、
殿筋膜を介して中殿筋と筋連結しています。
停止部は小内転筋、大内転筋、外側広筋と筋連結しており、腸脛靭帯を介して大腿筋膜張筋との筋連結も報告されています。(1)(2)
この連結を活かし、体幹伸展運動の等尺性収縮(最長筋多裂筋)をしながら股関節伸展を図ったり、
内転運動で大殿筋下部線維と内転筋の同時収縮を狙ったりします。
(1)松原貴子・他:ヒト大殿筋の肉眼解剖学的研究.神戸大学医学部保健学科紀要 13: 83–89, 1997.
(2)河上敬介・他:骨格筋の形と触察方.pp92–95,大峰閣,1998.
【③連合反応の利用】
一方の下肢のSLRに抵抗をかけ、対側下肢の踵を床に押し付けることで対側性連合反応を利用したり、
側臥位での股関節外転運動時(MMTの肢位)に、下側の対側下肢をベッドに押し付けたり
することで、収縮が確認出来ます。
ここでのポイントは、押し付ける側への意識を持つことですね。
SLRや外転運動をしている対側下肢が主役ではないので、この意識は重要だと考えられます。
④等尺性収縮の利用
ここまでの内容は全て等張性収縮での考え方でした。
もし、椎間関節への負荷はないものの、他関節に関節運動が生じることでも疼痛が生じるのであれば、ここまでの方法を等尺性収縮で行う。これが最も疼痛が生じにくいと考えられます。
もしこれでも疼痛がある場合は、心因性の問題や、骨格筋痛かもしれません。仮にそうであれば、そちらへの介入も視野に入れてみて下さい^ ^
私も臨床でかなり遭遇する問題なので、
上手くいかなければまた連絡してください^ ^
一緒に考えさせてください^ ^