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ご返信ありがとうございます。
これらの情報から本症例の痛みの原因として考えられることとしては
①肩峰下インピンジメント?(Neer Hawkins testの結果より)
②棘上筋断裂?(empty can testの結果より)
③肩甲下筋下部線維の滑走不全?筋スパズム? 棘下筋斜走線維の伸張性低下?筋スパズム?(2nd内外旋の可動域制限、痛みの結果より)
④肩峰下滑液包炎? 上方滑走不全?(右肩下がりという視診の結果より)
これらが考えられます。ここから必要な作業は根幹となる痛みはどこが発しているか?を改めて精査することです。
そのうえで、頭が混乱しないようにまずは状態と現象を分けて考えます。
状態→②〜④ 現象①
どういうことかというと、肩峰下インピンジメントという現象は、棘上筋の断裂やその他③④の影響によって生じているものです。
ですので、痛みを言及する上ではまずは現象ではなく②〜④の状態が本当に起きているのかどうかを確認していきます。
☑棘上筋断裂の再確認
→empty can test(+)という結果から断裂がある可能性が高いと考えられるが、Drop arm testにてより信憑性を高める(Drop arm testは棘上筋断裂における特異度が100%との報告あり)
☑肩甲下筋下部線維や棘下筋斜走線維の圧痛
→筋スパズムのヒントになる
☑肩甲下筋下部線維や棘下筋斜走線維の治療的評価
→筋スパズムがあればリラクゼーション、伸張性低下があればストレッチなどで即時的に改善が見込めるかどうかを確認
☑肩関節内転制限の再確認
→視診のみならず、他動的に確認する(※見極めるコツ→肩甲帯挙上位【肩甲骨上方回旋位】にて肩甲上腕関節を内転させる)
上記を参考にさらなる状態把握に努めてみて下さい。状態が把握できればあとはそれに対して適切なアプローチが実施できれば現象の改善につながります。