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回答遅くなり申し訳ございません💦
掃除機をかける時のアライメントは、
脊椎屈曲かつ上半身が前傾している場合が多いです。これを前提として考えていきます。
まず、圧迫骨折の既往歴がある点から。
もし、骨折後から現在にかけて、痛みが慢性的にあるのであれば、偽関節形成による難治性腰痛の可能性は捨てきれません。
もし圧迫骨折から3ヶ月以内に腰痛が消失し、期間がある程度空いた後に腰痛が再出現したのであれば、この可能性はかなり低下しますので、聴取が必要です。
この偽関節の問題を否定出来そうであれば、
次はヘルニアや脊柱管狭窄を否定したいところです。前屈時なので脊柱管狭窄は可能性が低く、下肢症状がないのであればヘルニアも可能性は低いです。
ただヘルニアの場合、痺れはなくとも僅かな感覚鈍麻や大腿部の違和感、重怠さ等が下肢症状として表現されることがあります。
なので、前屈負荷試験もおすすめです。
【前屈負荷試験】
座位で椎間板内圧を高めた状態で、体幹を前屈します。この姿勢を少し維持し、先程伝えた分かりにくい下肢症状が徐々に出現してこないかを確認します。※腰痛増悪には注意したうえで。
これでもし誘発されればヘルニア性の可能性が高いです。受診に回すか、ヘルニアの吸収
を促すようなアプローチ、指導に努めます。
これでももし問題がなければ、重怠さの訴えからあるように筋筋膜性腰痛の可能性が高いと考えます。
それでは、以下に可能性が残ったヘルニア&筋筋膜性腰痛の指導やアプローチに移ります。
【生活指導・動作指導】
ヘルニア、筋筋膜性腰痛ともに指導すべき姿勢は同じです。
「①腰椎の屈曲位+体幹前屈はNG」
と勿論なります。なので、腰椎伸展位は必ず意識し、その上で極力上半身を前に角度を付けない。これが基本ですがポイントです。
どうしても掃除機では屈みやすくなりますが、極力長さのあるスティック式で姿勢を保つことが必要です。
さらに、この状態から悪化させる要因としては「②体幹外部伸展モーメントの増加」
に注意します。
例えば、①の姿勢だけでは痛みが無くとも、その姿勢で物を持ち上げようとすると、②が増加し筋内圧も上昇し、腰痛や重怠さに繋がります。
ではどうするか?まずは何より膝関節の屈曲で体幹への負荷を減らします。その時に両足を前後に位置させると、より負荷は減ります。
次に、持ち上げる動作の反対となる、押し込む動作を可能な範囲で取り入れます。
例えば、片手で掃除機を使いつつもう片手で机などの把持物を掴み下に押します。
さらに、より簡単な方法だと、掃除機を持っていない手を大腿部に置き、プッシュしながら動作をすることも②の軽減に繋がります。
これらを取り入れることで、①②の問題を極力解決していきます。
【アプローチ】
(ヘルニアの場合)
前屈負荷試験でヘルニアの否定が出来なかった場合は、腰椎伸展位を維持した姿勢(この時体幹伸筋の弛緩がポイント)を作ります。
この状態でのリラクゼーションを覚えていただければ、自主練習としてもおススメです。
体幹伸展位は、髄核の突出を戻す方向に働くため、その姿勢を維持するだけでも有効です。ヘルニアは元々自然吸収するパターンが多いので、それを阻害しないようにアプローチしていきます。
あとは、後述する筋筋膜性腰痛と同じです。
(筋筋膜性腰痛の場合)
筋緊張が高い部分は低下させ、後はとにかく体幹伸展筋の強化に努めます。
緊張を落とす方法としては、ここは個人的な意見強めですが(揺らし)を取り入れます。
うつ伏せでユラユラしたり、側臥位で骨盤を前後に軽く揺らしたりします。↓
強化については、以前お伝えしたN-exやバードドッグを腰痛に応じて行っていきます^ ^
簡単にまとめますが、分かりにくい下肢症状がないか?の鑑別をした上で、筋筋膜やヘルニアに対するアプローチや指導をおすすめします^ ^