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折り返しのご連絡ありがとうございます^^
まず月状骨の掌側移動が絡んでいるという点で原因が少し明らかになったようで良かったです。
痛みと可動域については切っても切り離せない問題で、私もよく直面しています。
その際に考えることとしては
①なぜ痛みが出たのか?
②可動域が向上した際のメリットを提示した上で患者の意思決定を優先する
この2つです。
①について、今回のケースを当てはめてみると、月状骨の掌側移動により、舟状月状骨間靭帯や月状三角骨間靭帯、手指屈筋群、皮膚が過度に伸張され、周囲との摩擦で痛みが出たということが一つの要因だと考えられます。
停滞していた可動域がいきなり15°も改善したとなると大いに考えられます。この場合であれば、徒手的に周囲の滑走を出した上で月状骨の操作に移っていれば、痛みを惹起せずに済んだかもしれません。また、より愛護的に扱うことでも抑制できたかもしれません。ですので、今一度介入方法の見直しは行うべきかと思います。
ただ他の器質的な問題で痛みが惹起されている場合は、無理をしないほうがいいです。尺骨骨折もあるということでTFCC損傷などが併発している可能性もあります。
このあたりは痛みの種類によって攻めるべきか攻めないべきかを判断していくほうが良いかと思います。
また②については、どんな患者さんにも共通して言えることですが、リハのエゴにならないために、患者さんの意思決定を優先するべきです。
極論、患者さんが手関節背屈が0°でもいいというのであれば、そこは尊重するべきです。勿論こちらがメリットを提示した上でですが... 患者教育とも言えますね。
今回のケースに当てはめてみると、その痛みに耐えてまで可動域を獲得したいかをまずは話し合うべきですね。
ただここで大事なのが、先程の①で、なぜ痛くなっているのか?を医療者側が提示できなければ、患者さんの意思決定は難しくなります。
ですので、痛みの原因を明らかにし、それを説明した上で意思決定を行うというのが大切な流れかなと考えています。
是非、参考までに^^