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回答させていただきます。
痺れや感覚異常の原因は、腰椎疾患か末梢神経の絞扼を疑うのが通例です。
個人的には、これを疑いつつ明らかな神経症状が無ければ、ここに関連痛も疑います。
関連痛として大腿前面に症状が出る筋のトリガーポイント(TP)を圧迫し、症状が再現されるかを評価します。
今回の症例の場合は神経系の評価をされてるため、末梢神経由来の可能性は低そうですね。
ただ、腰椎負荷試験はされていないので、
○前屈位での姿勢キープ(ヘルニア由来)
○後屈位での姿勢キープ(脊柱管由来)
をそれぞれして症状の再現がされるかの確認もおススメです。
これでも再現されなければ、次のステップとしてTPの圧迫による再現痛を確認します。
大腿前面であれば、大腿直筋や腸腰筋、内転筋系。
大腿後面であれば小殿筋やハムストリングスに関連痛が生じます。
これらの筋に硬結があれば、そこを圧迫し評価するのもおススメです^ ^
※補足
末梢神経由来の可能性は低い。とは言いましたが、大腿神経の絞扼はまだ捨て切れないと思います。
大腿神経の外側から深層に腸腰筋が走行していますので、腸腰筋が何らかの要因で腫れたりスパズムが起きると、大腿神経は表層を鼠径靭帯に、深層を腸腰筋によって挟まれ絞扼されます。
なので、腸腰筋遠位の筋腹の盛り上がりが左右でさがあるか?の確認は必要です。
今回の症例も、asis下付近の疼痛であれば、可能性は十分にあると思います^ ^
また、治療的介入としては神経の長軸方向への可動練習をして改善があるかを確認します。これは股関節や膝関節の屈伸を組み合わせる方法ですね。
ただこれで変わらないとなっても、今度は深層表層での可動性を改善させる方法もあります。
大腿神経を触診し、股関節を屈曲し腸腰筋と大腿神経は緩めます。緩んできた分、腸腰筋の丸みに沿って指で軽く奥へ押し込み、深層方向への可動性を促します。
今度は股関節を屈曲60°程度まで戻したら、大腿神経は表層へ移動してくるので、押し込んでいる指を離していきます。
神経由来の問題は長軸以外の方向も徒手的に改善する余地はありますので、ぜひお試しください^ ^
ちなみにこの短軸方向の方法は、私が運営する【リンコレ】のfuryoさんの投稿動画の内容です^ ^
記事もアプローチ動画もフリーで見られるので、是非ご覧ください^ ^