返信先: 階段昇段時の躓きについて

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#5463
眞本匠
キーマスター

回答させていただきます。

昇段時のつまづきは、高レベルでの事故になるリスクがありますよね。

結論から申し上げますと、手すりがある場合は単純な筋力の問題、関節負荷の問題が。
手すり無しだと、運動制御の問題があると考えられます。

まず昇段時に必要な筋として【大腿四頭筋・下腿三頭筋】が挙げられます。
これらの筋が求心性収縮をして身体を押し上げます。
なので、これらの筋が弱化することは、身体の引き上げ率の低下を惹起します。よって、
対側足尖の立脚期つまずきに繋がります。
右大腿四頭筋・下腿三頭筋弱化があると左爪先接地につまずきやすいですよね。

可動域の視点。
そもそも爪先接地の際は、【正常パターンでも足関節が底屈位】となっています。
そのため、背屈可動域制限が少しある程度だと、つまずきの原因とは考えにくいのです。

次に関節負荷の視点。
膝関節においては、歩行(2〜3倍)よりも階段(4倍程度)で関節に負荷が加わります。
股関節も階段の方が負荷が大きくなります。
よって、関節疾患だと負荷に耐えられず、不安定性を惹起されつまづきに繋がるリスクがあります。

最後に運動制御の視点。
バランスと捉えて大丈夫です。
階段は立脚期の比率が71.4%、歩行は60%とされています。つまり、片脚となる時間は階段の方が長いため、その分不安定な時間も長くなります。
また、歩行と違い垂直方向への運動が必要になります。

これらの理由からも、歩行よりもバランスを求められていることが分かります。

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このように、階段は歩行とは似て非なるものであり、筋力も関節負荷も片脚支持時間も増えてきます。