返信先: 膝OA足部からの問題と股関節より上の問題の見分け方

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#5501
眞本匠
キーマスター

回答させていただきます。

まず股関節膝関節について。
以下【】記載は理学療法ガイドライン引用↓

【膝OA 群は、年齢および性が一致する無症候であるコントロール群と比較して、有意に股関節周囲筋の筋力が低下していた。
特に股関節伸展筋力は16%、股関節外旋筋力
は27%の低下が認められた。歩行時に内部股関節外転モーメントを十分に発揮できることは、18か月後の膝OAの発症を減少できる。】

これらより、股関節伸展、股関節外旋、股関節外転筋評価は必要。

また、
【内反外反弛緩性は,症候性膝OAのリスク要因であった。】
ともあるため、膝内外反の弛緩性の評価もポイントです。

さらに、【大腿四頭筋筋力値の高さは,膝OAの進行と膝の不安定性と関連していた】
に関しては、やはり王道ですが大腿四頭筋筋力も評価が必須ですね。

【2003年までの10年間で整形外科分野の文献において、股関節・膝関節の OA における疾患特異的尺度では WOMAC がもっとも頻用されていた。】
この引用からは、WOMACを推奨されています。変形性股関節・膝関節症の特異的評価なため、これがテッパンですね。ぜひ^_^

足部においては、足関節、足部の各関節の可動域が低下していると膝関節への負荷が高まり、OAへの進行に繋がります。
特に距骨下関節の可動域が低下している場合は疼痛が強く、疼痛が軽度な場合は距骨下関節の可動性が良好であるともされています。

また、膝関節内反が強いほど,距骨下関節は回内し、膝関節伸展制限が強いほど、距骨下関節回内と踵骨外反は増加した。
また、膝関節の疼痛が強いほど踵骨外反は増加した。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/artsjpta/31/0/31_13/_pdf/-char/ja

と報告されています。
足部の柔軟性は膝変形を代償するために見られることが多いです。
にも関わらず、足部可動性が制限されていると代償出来ないため、膝の疼痛にも繋がりえます。

結論、足関節や足部の可動性評価が重要というわけですね^_^