返信先: 肩関節屈曲動作の代償について

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#5869
池田拓未
キーマスター

回答させて頂きます。

▷両肩関節屈曲時に170°付近の最終域で腰椎前弯が過度に認める方に対して、代償動作を軽減させるアプローチや必要な評価について
評価あってこそのアプローチですので、まずは評価によって原因を突き詰めるところからお話させて頂きます。
個人的な経験則としては、肩甲骨の後傾が不足していることによって、最終域が上がりきらないというケースを多く目にします。そのため、まずは後傾の可動性が健側と比べてどうか?というところを評価していただくことをオススメします。小胸筋や肩甲挙筋の伸張性が低下しているケースでは、よく起こりうる現象になります。

また可動域が確保されていても、腰椎前弯でより高い位置を目指すといった運動学習がなされていたり、腹圧が抜けてしまい、前弯してしまうこともあります。そのため、口頭指示によって修正が可能か?、腹圧を高めた状態でも前弯してしまうのか?といった評価も必要になってくるかと思います。


▷高いところにある物を取った時、支えるために必要な評価やアプローチ
少し上の回答と被る部分がありますが、まずは単体での筋力評価が必要です。シンプルに肩関節周囲の筋力低下が起こっていないか?体幹の筋力低下が起こっていないか?を確認します。もしもそれぞれに問題となる部分がなければ、次は協調性の問題を疑います。立位の状態での動作となりますので、上肢〜体幹〜下肢までの筋が協調的に使えているのか?を評価する必要があります。このあたりを定量化することは難しいですが、立位で挙上動作を模倣したり、座位で模倣したり(下肢筋を使わないため、上肢と体幹の協調性に問題があることがわかる)することによって、どこに問題があるのかを推察していきます。協調性の低下は肩関節の筋持久力の低下にも繋がりかねませんので、まずはその部分にフォーカスを当ててみるとよいかもしれません。