返信先: 膝裏の痛み

ホーム Question&Answer 質問コーナー 膝裏の痛み 返信先: 膝裏の痛み

#6548
眞本匠
キーマスター

回答させていただきます。

「膝窩痛」として考えると、
腓腹筋内側頭、膝窩筋、足底筋が原因と言われることが多いです。

特に膝関節屈曲運動時には、
腓腹筋内側頭や足底筋は膝関節内での【挟み込み】が見られます。↓

http://www.secand.jp/work/img/pdf/034-1.pdf

この圧迫により疼痛が生じます。
足底筋も圧迫されますが、軽微なため疼痛の主原因とは考えにくいです。

①症例が膝屈曲時痛あり
②腓腹筋の緊張の有無で疼痛に変化
③関節面が変形

と揃うと、疼痛のメカニズムとしては、腓腹筋内側頭の挟み込みか?と疑わざるをえません。
外側部痛でもある。との話ですので、推論として全て当てはまるわけではありませんが、一つの問題として捉えて良いと考えられます。
評価としては、腓腹筋内側頭のマッサージ前後での膝屈曲時痛の変化。を確認します。

さらには、腓腹筋内側頭は底屈運動時に起始部に引き付けられるように半膜様筋の深層を滑走しながら内側深層へ移動し、筋厚の増大に伴って半膜様筋は内側表層へ押し上げられるように移動する。https://cir.nii.ac.jp/crid/1390282680554987392

ともされています。
よって、腓腹筋ー半膜様筋の筋膜連結部分は、互いの滑走性が正常だと必要になります。
どちらかが弱化し、どちらかが過剰収縮となっている場合、連結部分の滑走性が低下している可能性もあります。

【滑走性低下による疼痛】も同時に疑えますので、腓腹筋ー内側ハムストリングス間の連結部分の硬さや圧痛を再度評価しても良いかもしれません。
また、連結部分に指を押し当て、膝の屈伸をする(いわゆるリリース)をする前後でSLRに大きく差が出れば、滑走性の低下の可能性は高まると考えられます。ここが問題の場合、SLRが結構変わる印象です。

ここまでの内容では、膝屈曲時痛の原因を推論して【腓腹筋】としてきました。
最後に、日常で困っているのは荷重時痛。だと思います。

腓腹筋の過剰収縮では、筋内血管が圧迫されます。筋血流の障害が加わると、発痛物質であるブラジキニンや、その作用を強めるプロスタグランジンが産生されます。

なので、ハムストリングスの強化で腓腹筋への代償的筋肥大をおさえるようなアプローチをすれば、腓腹筋の収縮強度が弱まり、血流が改善→疼痛軽減とみる見立ても考えられます。

まとめ

膝屈曲時の挟み込みによる腓腹筋内側頭痛
腓腹側ー内ハムの連結部分の滑走性低下
腓腹筋過剰収縮による疼痛物質産生

このあたりを疑い、アプローチをしていくといいかもしれません^ ^