大腿骨転子部骨折のレントゲンのみかた➀

 

今回は、大腿骨骨折のレントゲン画像の見方について、ポイントをお伝えしていきます。

レントゲンのポイントは山ほどあり、情報量が過多となるのを避けるため、何点かのポイントに絞っていきます(^-^)

 

 

大腿骨骨折と一口に言っても、部位によって手術の種類や理学療法戦略も変わります。このsupplementでは、大腿骨転子部骨折安定型と不安定型の整復前―整復後のレントゲンに絞って解説していきます。

 

 

 

大腿骨転子部骨折不安定型とは?

なぜ、私がこれを今日お伝えしたいのか?

それは3つの理由があります。

 

1.転子部骨折は骨膜性疼痛が生じやすい

2.不安定型は生命予後・予後不良因子である

3.不安定型は歩行能力回復に影響を与える因子である

 

このように2021のガイドラインで言われていますので、転子部骨折不安定型はかなり要注意が必要と考えます。それでは、早速レントゲン解説に入ります。

 

 

 

整復前画像のみかた

 

これは、受傷時(整復前)のレントゲンです。明らかに骨折していますね。

見ていただきたいポイントは

➀骨折線②内側骨皮質

この二つ。

 

 

整復前―骨折線 症例➀

骨折線は、頚部と転子部どちらにあるでしょうか?これが転子部側にあればあるほど、

関節包外のため骨膜性疼痛が出やすく、出血も多く腫脹も大きくなりやすいです。ただ転子部は骨膜がある分骨癒合はしやすいです。

逆に頚部に近ければ近いほど、関節包内のため骨膜性疼痛が出にくく、出血も少なく腫脹も小さいです。しかし、骨膜由来の骨癒合がない分、骨癒合はしにくいですね。

 

 

よって、このレントゲンを見るとどうでしょうか??

正直、かなり微妙なところに骨折線が入っています。

なので、頚部と転子部の間の頚基部か?とも考えられます。

これが一番難しく、先ほど説明した頚部と転子部それぞれの特徴両方を少しずつもっているというわけです。

※ちなみに、診断名は大腿骨転子部骨折です。ただ線だけを見ると頚部にもあるか?というニュアンスですね。

 

よって、ある程度の痛み、腫脹、骨癒合のしにくさはあるか・・・

とこの骨折線で予測されます。

 

 

 

整復前―内側骨皮質 症例➀

では次に、ここをみていきます。

内側骨皮質というのは、この辺りの場所を指します。少々画質が荒いですが💦

なぜここが大事か?

 

ここは、荷重時に体重が伝わる部分とされています。

なので、ここの骨折がある場合、立位や歩行といった荷重が必要な時に体重がのりにくい可能性が非常に高くなります。

※ただ、あくまでこれは術前の骨折した時の話です。実際に歩行をする時は、骨片を整復し手術をした後の状態なので、術前の内側骨皮質をみるのは、あくまで予測程度に過ぎません。

 

例えば、内側骨皮質のズレがどれだけあるかを整復前画像で確認し、整復後にどれだけそのズレが減っているか?が重要となるわけです。

もしズレがかなりなくなっていれば荷重はのりやすくなっているでしょうし、ズレが大きいままでは、いわゆる【整復不良】となり歩行獲得に時間を要します。

 

 

本症例の場合、内側骨皮質は遠位は残存していますが、近位はズレていますね。

よって、先ほどの説明通り考えると、このズレが整復後の画像でなくなっているか?を機確認します。

 

 

 

整復後画像のみかた

 

整復後画像では、みるべきポイントが山の様にあります。

各インプラントの位置や方向といった点も見なければいけません。

 

ただ今回は、内側骨皮質に絞ってみていきます(^-^)

 

 

整復後―内側骨皮質 症例➀

いかがでしょうか?

整復前は、近位の内側骨皮質がずれている状態でした。

画像を見てみると、整復後はしっかりと整復されているのが分かります。

 

よって、内側骨皮質のズレによる荷重伝達障害、痛みはかなり少ないのではないか?と考えます。

 

この荷重時の予測はそのままリハビリに応用出来ますが、言い換えると、この整復状況にも関わらず疼痛が強ければ、骨の問題は低く、骨格筋や創部の問題を疑ったりも出来ます(^-^)

 

 

 

 

整復後―内側骨皮質 症例②

では次の症例です。この症例は整復後画像のみですが、少し内側骨皮質を見てみましょう。

 

いかがでしょうか?症例➀と比較すると、著しく内側骨皮質がズレているのが分かると思います。明らかに【大腿骨転子部骨折不安定型】だと分かりますね。

 

これだと、荷重をかけようにもラインがズレているので、跛行・痛みは免れないと予測できます。

ただ、荷重による骨癒合により徐々に荷重はのってくるのを期待し、転位を進行させない様に、適荷重を負荷することが非常に重要となります。

 

 

まとめ

今回は、整復前―整復後の骨折線と内側骨皮質のみに焦点を当てました。

これだけでも、リハビリに応用出来るポイントはかなりあることがご理解いただけたかと思います。

 

ただ、インプラントの位置や方向、大腿骨近位の各PART別の見方、側面像や術後後遺症のリスク等、みるべきポイントはくどいですが多くあります。

 

今後、レントゲンはシリーズ化してお伝えしようかと考えています(^-^)

分かりにくいところがあればまたご連絡ください!