中間広筋の徒手・運動療法

膝蓋骨誘導による中間広筋の促通

中間広筋は大腿骨長軸をまっすぐ走行し、膝蓋骨を介して脛骨粗面に停止します。その走行を利用し、膝蓋骨を下制させ、起始停止を引き離してから膝関節を伸展させることで、筋収縮を促すことが可能となります。

※補足
膝蓋骨を内下方に下制からの収縮 → 外側広筋
膝蓋骨を外下方に下制からの収縮 → 内側広筋

中間広筋と大腿骨前脂肪体の徒手療法

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中間広筋の深層には膝蓋上嚢が、さらにその深層には大腿骨前脂肪体(prefemoral fat pad:PFP)が位置しています。言わずもがなですが、表層が円滑に動くには、深層も円滑に動く必要があります。

中間広筋〜大腿骨前脂肪体を一塊にして、大腿骨から引き剥がすイメージで行います。中間広筋の筋収縮やストレッチング前の準備運動だと捉えていただければと思います。

 

膝関節筋の徒手療法

膝関節筋の滑走性維持を目的に行います。こちらも準備運動のイメージです。深層の筋であるため、触診が難しいですが、

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この膝関節筋の幅や、筋束であることを把握しておけば、ある程度のイメージのもとで実施できるかと思います。

中間広筋起始部へのダイレクトストレッチ

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中間広筋は大腿骨前面近位2/3 より起始しますが、より細かく見ると、大腿骨粗線外側唇から起始しています。そのため、外側唇を目掛けてダイレクトストレッチを加え、Ib抑制によって筋を緩めています。これはセルフex としても実施可能かと思います。

中間広筋の外側グライディング(イメージ)

中間広筋は外側に隔たった形態をしており、背側部では外側広筋と癒合しています。そして膝関節屈曲時の動態をエコーで観察すると、この両筋は大腿骨外側顆へ回り込むように滑走しています。

そのイメージがこの動画になります。膝関節屈曲運動によって中間広筋のストレッチングを行いたいのであれば、この方向への誘導がストレッチングを効率化させます。

中間広筋の外側グライディング(実践)

①中間広筋の外側グライディング
②膝関節屈曲で
③セルフex として

先程のイメージをもちつつ、徒手的に中間広筋を大腿骨外側顆へグライディングさせています。中間広筋の伸張性確保、周囲組織との滑走性獲得を目的に行います。こちらもセルフex としても実施できるかと思います。

外側膝蓋支帯へのストレッチング

上述したように中間広筋は外側の組織と密接に連結しています。そのひとつが外側膝蓋支帯です。そのため、外側膝蓋支帯へのストレッチングも間接的ではありますが、中間広筋へ波及すると考えています。

膝関節屈曲時に 膝関節内反 + 下腿内旋 を加え、外側膝蓋支帯へストレッチングを加えていきます。

 

参考書籍

・赤羽根良和.機能解剖学的にみた膝関節疾患に対する理学療法,運動と医学の出版社,2018.
・斉藤秀之 et al.極める大腿骨骨折の理学療法,文光堂,2017.
・林典雄(監修) 橋本貴幸(執筆) 園部俊晴(編集).膝関節拘縮の評価と運動療法,運動と医学の出版社,2020.
・山田英司.変形性膝関節症の保存療法,運動と医学の出版社,2022.
・工藤慎太郎.機能解剖と運動療法,羊土社,2022.