股関節回旋と歩行の関係性とは?
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今回は【股関節回旋と歩行】について解説していきます。

 

 

歩行と関節可動域の関連性を考える時、

・股関節伸展角度と立脚終期

・股関節内転角度とデュシャンヌ歩行

この辺りは、歩行に対するアプローチにおいて重要ですよね。

 

 

 

しかしながら、股関節伸展内転ともに十分な可動域があり、筋力にも問題はない。

 

しかし歩行に異常がある。

 

こんな時ってありますよね。

 

もちろん可動域以外の要素も歩行には影響しますが、可動域自体にもまだ見逃してはいけない方向があります。

 

 

今回は【股関節内旋】を考えます。

 

 

 

 

正常歩行と股関節

歩行中、股関節は矢状面(屈曲・伸展)の動きが主となります。

 

当然ですね。

ですが、屈伸運動に伴い水平面(回旋)で約10〜15度の運動が生じているのです。

 

具体的には

立脚中期(Mid Stance)〜立脚後半(Terminal Stance):

骨盤が支持脚側を軸に前方へ回旋します。

そのため、支持脚の股関節には相対的な内旋が強制されることになります。

 

 

遊脚期(Swing Phase):

脚が前方へ振り出される際、骨盤の回旋に伴い股関節は外旋から中間位へと戻る動きを見せます。

 

 

そもそも正常歩行で重要なフェーズは【立脚終期】だと考えられます。

 

 

なぜなら、

立脚終期に股関節伸展角度が確保されることで、股関節屈筋が適度に伸張され、

その弾性エネルギーの解放により股関節を振り出し、遊脚期を作り出しているといえます。

 

 

よって、【立脚終期の股関節伸展角度の獲得】がポイントとなります。

そう考えた時に、先ほどの股関節回旋の知識を思い出しますと、支持脚の股関節には相対的な内旋が強制される。

 

これを臨床に活かす必要が出てきます。

 

 

なぜなら、股関節伸展角度が保たれていても、股関節内旋可動域制限があると、

立脚終期で股関節が伸展方向へあまりいかなくなってしまいます。

 

 

よって、【股関節可動域は伸展+内旋】を獲得するようなアプローチが重要となります。

 

 

 

 

 

股関節内旋可動域

では次に、股関節内旋がどの程度必要になるのか?

平均内旋角度は約7.8°程度で、範囲は2.8°〜11.8°(1)と報告されています。

 

 

元々の前捻角が大きいほど内旋角度も必要となりますね。

 

さらに臨床で間違えてはいけないのは、

【股関節伸展位での内旋可動域】を拡大させる必要があるという点。

 

日整会の関節可動域の測定法のように、股関節90度での計測ではありません。

 

この方法だと、股関節屈曲位となり股関節周囲の靭帯や腸腰筋が緩んでいるため、実際に求めたい立脚終期の内旋可動域としては参考になりません。

 

股関節伸展位だと腸骨大腿靭帯を筆頭に、腸腰筋、大腿直筋の制限が関与してきます。

 

股関節伸展位での内旋可動域に対する評価、ストレッチをする必要がありますね。

 

 

 

 

股関節内旋の代償

仮に股関節伸展位での内旋可動域が不足していると、様々な代償も予測されます。

 

例えば、股関節の硬さの分を腰椎が代償的に回旋を強める可能性。

 

膝関節においても、knee inを強調させるリスクも考えられます。

 

さらには、股関節内旋が出ない分、股関節伸展自体を股関節外転外旋で逃すような、逃避歩行も臨床ではよく遭遇します。

 

歩行観察においては、

腰や膝の介入も必要ですが、根本的な股関節伸展内旋への早めの対応が必要となりますね。

 

 

ぜひ、歩行ー特に歩幅短縮や歩行速度低下に悩んでいる症例については、

股関節伸展内旋可動域のアプローチも検討されてみては^_^

 

 

文献

(1)Uemura K, Atkins PR, Fiorentino NM, Anderson AE. Hip rotation during standing and dynamic activities and the compensatory effect of femoral anteversion: An in-vivo analysis of asymptomatic young adults using three-dimensional computed tomography models and dual fluoroscopy. Gait Posture. 2018 Mar;61:276-281.

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