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2021年10月26日 10:27 AM
#1174

キーマスター
ご質問ありがとうございます。眞本です。
回答させていただきます。
運動連鎖を報告した研究は数少ないですが、回旋と肩甲骨の連鎖の報告はありますのでご紹介します。↓
回旋
頚椎回旋→同側肩甲骨が内転[7症例]
頚椎回旋→同側肩甲骨が外転[6症例]
頚椎回旋→肩甲骨は動かず
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/2004/0/2004_0_C0337/_pdf/-char/ja
つまり、一定した運動パターンは認められなかったようです。
肩甲上腕リズムのような明らかな連鎖による動きは見られなかったので、頚椎回旋ー肩甲骨連鎖は運動範囲が小さく個体差が出やすい運動連鎖であると考えられますね。
屈伸、側屈と肩甲骨の直接的な運動連鎖の報告は見当たりませんでしたが、
座位での座圧中心次第での上半身全体での運動連鎖の報告はあります。↓
座圧前方
上位頚椎屈曲、下位頚椎伸展
肩甲骨下制後傾
座圧右方
上位頚椎右側屈、下位頚椎左側屈
肩甲骨 右挙上、左下制
座圧後方
上位頚椎伸展、下位頚椎屈曲
肩甲骨挙上前傾
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ptcse/20/1/20_7/_pdf/-char/ja
大きな連鎖はありませんが、頚椎の運動に伴い肩甲骨に疼痛を訴える場合は、この連鎖異常がないかの評価が必要になってきそうですね。