返信先: 指先の運動と頭(脳)について

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#1531
眞本匠
キーマスター

回答させていただきます。
指先と脳の関係性について研究した報告は多くありますので、ご紹介させていただきます。

まず結論としては、
①指先課題で脳血流は増加する。
②血流増加は高次に関わる部位に見られる。
③難しい課題であるほど、血流も増加しやすい

ということです。では論文の紹介に移ります。
2hzの電子音に合わせてタッピングする「指先課題」を4種類で行った際の、脳血流を研究した報告。
4種類とは、示指のみ、環指のみ、示指+中指、環指+小指の四パターンです。

結果↓
示指のみ
一次運動野、一次感覚野
環指のみ
一次運動野、一次感覚野、二次感覚野、補足運動野、腹側運動前野、側頭皮質、同側小脳
示指+中指
左一次運動野、感覚野、背側運動前野、側頭皮質、右側小脳
環指+小指
両側一次運動野、下頭頂皮質、小脳、左の一次、二次感覚野、補足運動野、腹側、背側運動前野、側頭皮質

このように活動し、また環指+小指課題は
両側一次運動野、右側二次感覚野、左運動前野、左側小脳の活動が示指+小指課題よりも有意に高い結果となりました。

また、被験者の【主観的運動困難度】と脳血流は比例しており、難しい課題であるほど広範囲に脳血流が増加することも分かりました。

臨床で指先課題をする時は簡単な課題から始めていき、徐々に高難易度での指先課題にシフトしより脳血流を増加させる意図をもつと良いと考えられます。患者様への説明でも、
難しい課題「特に環指」をするほど血流が増加するとお伝えすると、運動の継続にも繋がると考えられますね^ ^

参考文献↓

http://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/textiles/db/seeds/descente26_05_aoki.pdf