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回答させて頂きます^^
結帯については評価すべきポイントは山のようにありますので、今回はせっかく症例も提示いただいておりますので、この方の結帯制限の解釈についての考えをお伝えできればと思います。
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痛みから考える
本症例の疼痛部位は「肩関節外側部」。そして肩関節内転動作においても同部位に疼痛を認めるということから、結帯時の肩甲上腕関節の”内転”の可動域が足りないということが考えられます。
結帯は内転結帯と外転結帯の2種類が主にありますが、内転結帯の場合、肩甲上腕関節の内転可動域が必要となります。そのため、まずは内転可動域を評価してみて下さい。
肩関節という大きな括りではなく、しっかりと肩甲骨を固定した状態での肩甲上腕関節の内転可動域です。
もしも可動域制限があったり、0°獲得できていても同部位に痛みを認めるようであれば、上方組織の伸張性低下、軽度の癒着、炎症による滑走不全が考えられます。夜間痛もこの内転制限から起きているかも知れません。
特に肩峰下滑液包は三角筋下滑液包まで含めて考えられることもあるので、痛みの部位としても辻褄があうかと思います。
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肩関節の伸展可動域から考える
本症例は肩甲上腕関節での伸展が困難であり、肩甲骨前傾での代償が出現しています。
結帯時は少なからず伸展動作が伴いますので、伸展可動域の改善を図ってみて下さい。
結帯時の伸展動作の制限となりやすいのは”棘下筋・烏口腕筋”この2つの筋であることが多い印象です。
棘下筋においては結帯時の内旋運動の制限因子としても考えられますので、もしも伸張性低下がある場合は、ストレッチの第1選択肢として捉えてよいかと思います。
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不良姿勢から考える
ここまでの可動域を獲得できたとしても、その可動域制限を作り上げているのは、この不良姿勢(肩甲骨外転、前傾)である可能性が高いです。
そしてこの肩甲胸郭関節のマルアライメントは土台となる胸郭のマルアライメントが作り上げているものです。
ですので、肩甲胸郭関節の修正する前にまずは胸郭を適切な位置に戻すこと。胸椎の伸展可動域、保持能力を獲得することが重要です。個人的にはストレッチポールやバスタオルを脊柱に沿ってあて、そこに背臥位となり、胸椎の伸展を促すようなエクササイズは過度な胸椎後弯変性とかでなければ行ってもらっています。
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このあたりを参考にされてみて下さい!
もしも質問の意図と異なった回答であったり、さらに深ぼって聞きたいことがあれば、返信頂けると幸いです。