返信先: 筋力評価と筋力増強訓練について

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#1756
眞本匠
キーマスター

回答させていただきます。
MMTは関節別のトルクを見る定量的評価てすが、これ以外でかつ臥位✖️となると、
仰る通り「大まかな評価」となることはご理解ください^ ^↓
 

私見としては、外転筋、伸展筋それぞれの需要が高まる荷重位での動作評価を難易度順に用いることを推奨します。

【股関節外転筋】
股関節外転筋は
自由歩行→低速度歩行→横歩き→ヒップハイクの順で需要が高まり負荷も上がります。

①まずは自由歩行でトレンデレンブルグが出現するかを確認します。
内転可動域制限が無ければ、外転筋の筋発揮が低下していることが主原因と考えられます。

②次に低速度歩行でトレンデレンブルグ徴候が出現するかを確認します。
低速度の方がトレンデレンブルグ徴候は出やすいので、2通りでの評価は有用です。

③次に横歩きでデュシャンヌ徴候が出現するかを確認します。進行方向に足を出した時、体幹が進行方向に側屈しないか。
外転筋弱化症例では見られやすいです。

④最後に、ヒップハイクで代償無く運動が遂行出来る回数を評価します。↓[Twitter動画]

非常に負荷が大きく、外転筋にもかなりの筋疲労が生じます。疲労後は膝屈伸での代償、体幹側屈での代償が見られやすいので注視してみてください。

外転筋の場合は、これらの流れで荷重位筋活動を評価していきます。そして、これら評価はそのままアプローチに繋がります。
前述した異常がみられる評価をアプローチにすることを推奨します。

【股関節伸展筋】
股関節伸展筋は、正直臥位以外だと中々に難しいかと思います。
なので、外転筋ほどは特異度は低いと思われますが、伸展筋の筋活動が見られる運動を考えていきます。

立脚初期に着目し、体幹の前屈方向への崩れが出るかといった大殿筋弱化による異常を見ることも一つ。
大殿筋筋活動と基本動作の関係性を整理しますと以下の通り。

大殿筋上部線維は、
歩行では踵接地後より活動をし始め、、立脚中期付近で筋活動が最大となり、踵離地に向けて漸減します。
立ち上がりでは臀部離床後の伸展相において筋活動が最大となり、終了肢位である立位まで筋活動が続きます。

大殿筋下部線維は、踵接地直前から先行して活動し始め、足底接地前に筋活動のピークとなります。
立ち上がりでは動作開始直後より先行して活動を開始し、臀部離床にかけて筋活動は増大となります。

これらに基づき、歩行の相別と立ち上がりの相別での評価も有用かと思われます。
ただ、立ち上がりにおいては大腿四頭筋や前脛骨筋、歩行においては広筋群の活動も大きいため、やはりOKCの評価ほどの精査は困難かもしれません。