ホーム › Question&Answer › 質問コーナー › 膝OAについて › 返信先: 膝OAについて

回答させていただきます。
今回の症例の場合、【伸張ストレス】が原因と考えられる要素が多く存在します。
※詳細に書いていただいてありがとうございます🙇♂️
①内反型OAの外側に疼痛
これはそのままですね。内反膝の場合、
膝関節の内側には圧縮ストレス、外側には伸張によるストレスが加わります。
②ラテラルスラストあり
スラストがあるOAは、歩行中に急激な内反角度の増大が認められた。と報告されており、
スラスト時に内反増加=伸張ストレス増加となり得ます。
③伸展制限あり
膝完全伸展があれば、ダブルニーアクションによる衝撃吸収や靭帯による関節の安定化、骨軸の負担が生じます。ですが伸展制限がある場合は、筋への負荷が生じやすいですね。
外側の筋に伸張ストレスが加わりながら、かつその筋に筋収縮の需要があれば、なおストレスが加わります。
④骨盤後傾位、円背位
これも伸展制限と同様ですね。外部モーメントを考えると、膝を屈曲させる外力が増しています。よって、大腿前面筋や大腿筋膜張筋への負荷が加わります。
⑤歩行の歩き始めー立脚中期に疼痛
伸張ストレスと考えられる最も大きな部分です。荷重=圧縮ストレスなので、OAだと内側の痛みが多いと思います。
ですが、内側が圧縮される分外側が伸張されます。さらにそこから強い筋収縮があると、外側への負荷が増大しますね。臥位と歩行の違いはここなので、やはり伸張ストレスの可能性が高いかと。
特に本症例の場合、荷重が最も強まる相で疼痛が生じていますね。
歩き始めだと筋の出力も十分でないこともありますし、ここまで①〜④で述べた要素が、この荷重が強まる相にのしかかってきます。
まとめ
長々とお伝えしましたが、膝外側組織の伸張ストレスと考えられます。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/2013/0/2013_0027/_article/-char/ja/
この報告↑では、
スラストあり群では急激な内反角度の増大が認められた。
スラストあり群では脛骨がより外旋位である傾向が認められた。
スラストあり群では内反不安定性が大きい傾向であった。
としており、
○脛骨のマルアライメントが無いか?
○内反不安定性があるか?
の評価をプラスαですることを推奨します。
アプローチとしては、伸張ストレスを軽減させる戦略を立てます。もちろん不可逆的要素が多いので、可逆的要素を探すことが重要です。
ここまでの⑤つを参考に、骨盤後傾の可逆的要素があれば改善を目指し、大腿前面や外側の筋群の強化を行い負荷を軽減します。
あとは、歩行補助具で荷重量を軽減させたり、準備運動をしてから歩いたりといった指導もポイントになると考えられます。
また、内反不安定性が高いのであれば制動サポーターの提案も効果があるかもしれませんね^ ^