返信先: 肩甲骨の安定性について

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#2140
池田拓未
キーマスター

回答させて頂きます^^

まず肩甲骨の安定性確保における前鋸筋のトレーニング方法というテーマに先立ちまして、肩甲骨の安定性の解釈について補足させて頂きます。

前鋸筋が肩甲骨の安定性に寄与していることは言うまでもないかと思いますが、”前鋸筋”のみの作用ではありません。肩甲骨に付着している筋全てが共同して働くことで安定性が得られます。

例えば前鋸筋ばかりが優位になってしまうと、肩甲骨の外転・上方回旋が過剰となり、この状態が肩甲骨が安定性しているとは言えないと思います(臨床的には少ないですが…)。

ですので、多くの筋が関与しているということは大前提として理解しておく必要があります。

その上でトレーニング方法についてですが、肩甲骨周囲筋が共同して働くためには、そのままですが共同して働かせるトレーニングが必要になります。最も分かりやすい例でいうとCKCでのトレーニングです。個人的には四つ這い位でのトレーニングが汎用性高く、オススメです(CAT&DOGやクロスエクステンションなど)。

ただこのときに前鋸筋の筋力がMMT4レベルであったり明らかな翼状肩甲を認める場合は、順序としてCKCでのトレーニングにて前鋸筋を鍛えるのは時期尚早です。

ここで必要なのがその前段階として単体でのトレーニングです。前鋸筋で言えばkengoさんのおっしゃるようなリーチ動作などですね。こうして単体での筋力強化を図った後に、CKCトレーニングへ移行するというのが効率的だと考えています。

ただこれらはあくまで肩甲骨の安定性の観点からのお話です。例えば、肩関節の最終屈曲が出ないといったときには最終域でのトレーニングが必要になりますし、ボクシングで強いパンチが打てないといったときにはいかに素早くOKCの動きが出せるかを考えます。つまり目的によってトレーニング方法は異なるということです^^