返信先: 動画「膝伸展時の引っかかり感とは?」再質問

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#2628
池田拓未
キーマスター

ご返信ありがとうございます!
リリース=ストレッチというような解釈ですね。
その上で回答させていただきます。

半膜様筋を促通ではなく、ストレッチをしてしまったということですが、ここは私の"促通"という言葉が少し曖昧でした。ここでいう"促通"というのは"本来の動きを獲得する"というニュアンスでして、そこにはストレッチも含んでおります。例えば、軽度の滑走不全が予測される場面での促通としては筋収縮によって滑走の改善を図るという行為が促通ですし、筋の過緊張により本来の出力を発揮できていないのであれば、筋緊張の低下を目的としたストレッチも促通だと考えております。

ですので、今回のケースにつきましては、半膜様筋のストレッチによって筋の伸張性が獲得できた、筋緊張の緊張が落ちた、軽度の癒着が改善されたというようなことが推測されますので、結果的にリリースは適切な介入だと言えるかと思います。

続いて、半膜様筋の状態が1週間で戻ってしまうということについてですが、これについては原因やアプローチは千差万別です。例えば膝が屈曲位になっており、それが起因して半膜様筋の過緊張が生じている場合であれば、上述されている骨盤を前傾方向へ促すアプローチは有効かと思います。ただし、あくまでこれは膝屈曲位が起因して半膜様筋の過緊張が生じている場合に限ります。もしも半膜様筋の過緊張が他の要因が起因して生じていた場合は、そこにアプローチを施すことができなければ、今の状態を脱することが難しいかと思います。ですので、改めて"なぜ半膜様筋の過緊張が生じているのか?"はたまた"本当に過緊張状態なのか?"などを諸々の理学所見から推測する必要があります。

また仮に今回この半膜様筋の過緊張に骨盤後傾が絡んでいた場合、骨盤前傾位にする運動療法をどれぐらいの負荷量、頻度で指導するかを考える必要があります。明確になっていない部分も多いですが、外来の場合、鍵を握っているのは確実にセルフトレーニングです。実際の指導内容と本人の実施状況を鑑みて、最適な方法を提示する必要がありますね。

細かな状態把握ができていないため、少しアバウトなお答えになっていることをご了承下さい。