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回答させていただきます。
まずは介入以前のポイントとして、「頚椎椎間板症」を、医師がどう診断したかを聞き取ります^_^
頚椎椎間板の水分が減りMRIで変化があり、かつ頸部痛があることを「頚椎椎間板症」としているのか?
大事なのは、これに付随してヘルニア様の所見が見られるのか、椎間孔、脊柱管の狭窄があるのか、などです。
もし、椎間板自体に問題があるだけとの医師の返答であれば、その病態のみなら神経症状は出ないはずです。
椎間板症は、椎間板の水分が減少し変性を起こすことで、クッションとしての機能が低下し、首の痛みや違和感を感じるもの。
と定義しているクリニックもあるようですが、、↓
頚椎椎間板症 | 整形外科の病気
★とかく、椎間板に変性がある状態から、神経症状を呈するような異常があるかを画像上、理学検査上で評価することが重要です。
もちろん、椎間板への負荷が問題かを見るのもポイント。
【評価】
椎間板ー頚椎前屈で負荷が加わるため、前屈で疼痛が助長されるか?
脊柱管ー頚椎伸展で狭窄されるため、伸展で症状が誘発されるか?
椎間孔ー前屈+症状と反対側方向への側屈+症状側への回旋の複合姿勢で椎間孔は拡大する(https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/2009/0/2009_0_C3O2115/_article/-char/ja/)ため、症状が緩和するか?
また、王道ですが神経症状(感覚低下、筋力低下、反射)も確認します。
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ここでは腋窩神経を無視していますが、まずは私なら頚椎構成要素の問題から考えます。
これらで、問題と考えられる組織が判明すれば、動作指導に必然的に繋がります。
また、アプローチとしては伸筋の強化を行い、脊柱の支持性、安定性を高めることがまずベターと考えられます。
また、頸部のアイソメトリックなトレーニングは簡便で負荷も軽いためおすすめです↓
痛みや神経症状の誘発がなければ、チンインも試す価値ありです。↓
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspfsm/58/1/58_1_91/_pdf/-char/ja
【腋窩神経絞扼】についてですが、
Quadrilateral space(上腕骨・小円筋・大円筋・上腕三頭筋で囲んだ隙間)による通過障害があるか?を確認します。
アプローチや評価としては、
各筋の筋緊張の確認、ストレッチやマッサージで神経症状が改善するか?を見ます。
神経モビライゼーションも有効です。
○テンショナー
神経の距離を増加させる事で、神経の緊張を高める方法
○スライダー
神経の一端を緩め、他端に長軸方向の力を加えることで神経の滑走を促す方法
これらの方法を腋窩神経を狙って行います。
また、参考程度ですが以下もご参照ください。
頚椎疾患は、初めは不安な気持ちがあると思います。
私の考えを端的にまとめますと、リスクに注意したアセスメントを行いながら、安定性を高め、過度な緊張は落とし、末梢神経に問題があればスライダーを試す。といった流れです。