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回答させていただきます。
血圧はかなり面白いですよね!
ただ、絡む要素がありすぎるので、色んな可能性を考えて説明する必要があります^ ^
血圧の決定要因での説明をお勧めします。
決定要因とは、
【心拍出量✖︎血管抵抗】ですね。
心拍出量は、一回拍出量✖︎心拍数です。
この計算式で上と下の血圧を説明します。
収縮期血圧(SBP)は左室が血液を大動脈に拍出する時の圧。なので心拍出量が高まりますので、
頻脈であれば心拍数が増加し、結果としてSBPが上昇する可能性があります。
また、左室が血液を駆出する先である【大動脈】が硬化していると、それだけ血管抵抗が硬いためSBPも上昇します。
後は、【末梢動脈】が硬化する場合も考えてみます。こうなると、血管抵抗が大きくなるため、SBPも拡張期血圧も上昇してしまいます。
拡張期血圧(DBP)の説明は割とややこしいです。
収縮期に全身に血液がいきますね。ですが、その一部の血液は大動脈を押し広げて大動脈に貯留するのです。貯留した血液は、左室の拡張期に大動脈の弾性復元力で末梢に押し流します。
この時の血流による圧がDBPです。
次大事です。
なので【大動脈】が硬化すると、拡張期に末梢へ流れる血液量が少なくなります。よって、DBPが低下します。
ここまでをまとめますと、
頻脈があれば、血圧は上昇
大動脈硬化があればSBP上昇、DBP低下
末梢動脈硬化があればSBP上昇、DBP上昇
となります!
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ここまでの説明は、神経因子や液性因子、局所性因子を無視した、かなりザックリした説明でした。
神経因子は交感神経副交感神経
液性因子はカテコラミンやBNP.RAA系
局所因子は腎臓の利尿や心肥大など
先程のの説明のザックリ説明は、これら3因子が絡み合いながら変動するというわけです。
これが答えなわけですが、例をいくつか示します。
例えば、Aさんが大動脈硬化疾患があるとします。
それなら、例にならうとSBP上昇、DBP低下の血圧ですね。
ただここに、3因子が測定時にどう絡んでいるかが重要です。
以下、血圧がなぜ変動するのかの一部を列挙します^ ^
簡単なところだと、測定時の緊張や興奮している状態であれば神経因子(交感神経)により両方上昇します。
β遮断薬を内服していても、血圧は上下とも低下します。
不眠があれば交感神経優位となるので、上下上昇します。
激しい運動後であれば、心拍出量が増加するためSBPが上昇します。
軽い心地よい運動であれば、血管が拡張するためSBPが低下することもあります。※心拍数が上昇しない程度の運動。
入浴後であれば、血管が拡張するため上も下も著しく血圧は低下します。
RAA系(循環血液量を増やす)を阻害する薬を内服しているなら、内服前よりもSBPは低下するかもしれません。
このように、3因子を利用者に当て込みつつ、現在の心疾患や脈管系疾患を絡めて考える必要があります。
血圧の規定因子は非常に多いため、これといった名言は出来ないのは仕方ないと考えてます^ ^
長くなりましたが、変動する理由を説明するには、
血圧の計算式を簡単に説明し、その計算式には3因子が絡み合っていることを伝えます。
そして、内服薬がどうそれに影響しているか、また入浴や不眠、運動の程度、興奮や緊張を例にとって説明し、イメージをしてもらいます^ ^