ホーム › Question&Answer › 質問コーナー › ハイアーチについて › 返信先: ハイアーチについて

回答させて頂きます^^
ーーーーーーーーーーーーーーー
そもそもなぜハイアーチが起こるのか?
ーーーーーーーーーーーーーーー
ハイアーチモデルを作成した研究では、前脛骨筋や後脛骨筋、長趾屈筋、下腿三頭筋の過度な牽引によって足部アーチが上昇する¹⁾。
このように述べられています。つまり、外在筋の過度な牽引(過剰な収縮とも言い換えられる)を引き起こしていることが考えられます。
ーーーーーーーーーーーーーーー
なぜ外在筋の過剰収縮が生じるのか?
ーーーーーーーーーーーーーーー
外在筋の過剰な収縮は内在筋の機能が低下した際にMTP関節の安定性向上の代償として生じる²⁾。
このように述べられています。ですので、ご質問頂いた”内在筋”を緩めるというのはもしかするとハイアーチを助長してしまう可能性があるため、むしろ内在筋の機能の獲得を図る必要があります。
下腿三頭筋の伸張性低下により足関節背屈制限が認められると、前脛骨筋よりも長腓骨筋の働きが優位となり、第1中足骨を底屈方向に強く牽引する³⁾。
このような報告もあります。これを踏まえると、下腿三頭筋の伸張性も評価する必要があり、タイトネスを認めるようであれば、伸張性を再獲得する必要あります。
ーーーーーーーーーーーーーーー
ハイアーチの形態から考える
ーーーーーーーーーーーーーーー
一度、骨模型でハイアーチを再現してみてください。
そうすると、各関節の位置関係が把握できます。
個人的にハイアーチ時で問題となるアライメントとしては
・距骨下関節の過度な内がえし
・第1リスフラン関節の底屈
・第4、5中足骨の背屈
これらを改善できると、良いかもしれません。
例えば三角靭帯やバネ靭帯の伸張性が低下すると、距骨下関節の外がえし可動性が低下します。
こういった靭帯由来の可動域制限が生じてしまう可能性があるので、徒手的に
・距骨下関節の外がえし
・第1リスフラン関節の背屈
・第4、5中足骨の底屈
これらの可動性を確保しておいたほうが良いかと思います。
ーーーーーーーーーーーーーーー
運動連鎖から考える
ーーーーーーーーーーーーーーー
先程、下腿三頭筋の伸張性が低下し、背屈制限を生んでしまうと、ハイアーチの原因となることをお伝えしました。
この下腿三頭筋の伸張性低下は周辺関節のマルアライメントによって二次的に引き起こされている可能性もあります。
例えば、過度な下腿外旋があったとします。そうなると、それに呼応するように距骨も外旋してしまい、背屈制限となることも考えられます。
この場合は、狙うべきポイントは足部ではなく、下腿外旋位の修正となります。このような運動連鎖の観点からも考えてみると、様々な介入プランが浮かぶかと思います。
以上、参考にされてみて下さい^^
1)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24559876/
2)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18457768/
3)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15766431/
<参考書籍>片寄正樹.足関節理学療法マネジメント,メジカルビュー社,2018.