ホーム › Question&Answer › 質問コーナー › 肩の関節水腫について › 返信先: 肩の関節水腫について

ご質問ありがとうございます!!!
【どれぐらいで関節水腫(水)が引いてくるのか】
このご質問の結論としましては「腱板断裂の原因によるので明確には言えない」というのが私の個人的な答えです。ここで言う状態というのは、その腱板断裂が外傷性なのか、加齢に伴う変性などの非外傷性なのかということです。
外傷性あれば、組織の損傷にともなって炎症期→修復期→再構築期という過程を辿ります。
一般的に炎症期が2〜5日、修復期が3〜20日、再構築期が9日〜1年以上とされておりますので、この修復期〜再構築期への移行期までは外傷性腱板断裂にて関節水腫が続いている印象です。
一方で、臨床で多く経験する非外傷性腱板断裂では、より水腫が軽減する時期を明確化するのが難しいです。というのも非外傷性では慢性炎症となっている可能性が高いので、どれぐらいの期間、炎症をくすぶらせているかで変わってくるかなと思います。ただその分、炎症反応レベルは低いことが考えられますので、断裂部位や断裂範囲を確認後、早期に適切な対応ができていれば、長くは続かないのかなと考えています。
個人的な経験上は、炎症期の腱板断裂症例にて動作指導やポジショニングによって安静の徹底ができている症例では、服薬の影響もありますが、2〜3週ぐらいでは関節水腫が改善している印象です。
【どういうことをすれば関節水腫(水)を早期に引く方向に導けるのか】
上記のことを踏まえ、いかにして炎症を抑えるかが勝負だと思います。関節水腫の軽減だけにフォーカスを当てるのであれば、いい意味で"動かさない"ことが一番かと思います。個人的にはリハ介入として早期から肩峰下滑液包と棘上筋との滑走は確実に出すようにしています。この部分の摩擦によって慢性炎症に至っているケースが多い印象ですので、場合によってはDrに同部位へハイドロリリースを打診することもあります。
シュラッグ動作だけでも上方組織の滑走性向上を図れますので、炎症期であっても疼痛の範囲で行う分には有用かと考えております。
-
この返信は1年、 9ヶ月前に
池田拓未が編集しました。