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私の方からは”言語化”という部分について補足させて頂ければと思います。
まずはその方の問題因子(痛みや可動域制限、筋力低下)と歩行観察から抽出されたデータを結びつけていきます。
例えば、右側股関節の外転がMMT4レベルであった場合に、右側のDuchenne歩行によって股関節外転筋のレバーアームが短くなっていることを結びつけたとします。
となれば、必ずレポートやレジュメにもここの記載は必須ですので、”荷重応答期〜立脚中期にかけて右側体幹外側傾斜(Duchenne)”という文言は必ず記載します。
そして歩行には様々なヒントが隠れており、さらになぜ右側Duchenne歩行が出現しているのか?というところまで深掘れる可能性があります。
Duchenneが生じてしまう原因としては、股関節外転筋力の低下や股関節内転可動域の低下以外にも、足圧中心の内方化(外方化制限)も考えられます。Trendelenburg歩行ではなく、わざわざDuchenne歩行を選んでいる理由はこういったところにあります。
ですので、足部に着目し、同じフェーズで足圧中心がどこにあるのかを足部のアライメントによって予測していきます。足圧中心が内方化しているということは、そのタイミングでは足部がやや外がえし位になっていたり、母趾球への過荷重などが所見として見られるかもしれません。
となれば、”荷重応答期〜立脚中期にかけて足部外がえし位、母趾球軽度屈曲位”などといった文言も記載する必要が出てきます。
このように問題因子と関わりを持ちそうな部分をピックアップして、見たままの各関節の状態を言語化し、記載していきます。勿論この際、頭頸部の位置や遊脚側下肢の状態などもヒントになりそうな部分があれば抽出します。
私は普段このあたりを意識しながら歩行観察〜分析を行っております^^