返信先: 1st外旋制限について

ホーム Question&Answer 質問コーナー 1st外旋制限について 返信先: 1st外旋制限について

#5429
池田拓未
キーマスター

介入お疲れさまでした!

可動域の解釈について
▷まず座位・立位と臥位の違いとして挙げられることとしては、抗重力位かどうかです。座位や立位では重力に抗して上肢を挙上する必要があるため、体幹筋力が必要になり、立位であれば下肢筋力も必要になります。そのため、体幹・下肢筋力低下がある場合は、座位・立位と臥位での可動域の差が生まれる可能性があります。

また筋緊張にも差が生まれる可能性があります。座位・立位に比べて臥位のほうが筋緊張は抜けやすいです。またこちらの操作も臥位のほうがやりやすく、患者さんの他動運動時の感じ方も筋緊張に影響してくるはずです。特に防御性収縮は臥位のほうが出にくいと思います。こういったところも影響していることが考えられます。

外旋可動域と挙上可動域について
▷1st外旋5°であれば、おそらく挙上時に大結節が肩峰下を抜けれずに、インピンジメントを起こしている可能性は高いです。しかし、肩甲胸郭関節の代償を使えば、その角度までもっていけてもおかしくはないのかなと思います。

また1st外旋というのはあくまで下垂位外旋ですので、挙上時の外旋とはイコールではありません。そういったところで意外と大結節が肩峰下を抜けていることもあります。

相反神経抑制について
▷おっしゃるとおりだと思います。この文面からも分かるように即時的に可動域が改善しているということは短縮のみならず筋緊張も影響しているということです。そう考えると1つ目の質問に通ずるものもあるかと思います。

またこういった即時的な可動域改善効果については、相反抑制などの神経生理学的なものだけでは説明がつかないというのが実際です。あくまで1つの要素にすぎません。例えば、外旋運動によって軟部組織の滑走性が生まれたり、運動学習が進んだり、恐怖心が低下したりと、他に多くの要素が絡み合っています。実際に何が起因したのかを判断するのは至難の業ですが、神経生理学的な考察以外にも目を向けておいたほうが良いかと思います。