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#5431
眞本匠
キーマスター

回答させていただきます。

血圧の調節因子はいくつかに分類されており、それらが相互に絡み合い、結果として【血圧数値】として反映されています。

今回は相互性を加味せず、水分と血圧のみに焦点を当てて考えていきます。

また、透析患者さんの水分指導(制限)となるとリスク面も大きい為、今回は一般論をご紹介します。

水分が減ったパターン
①水分が枯渇した状態(明らかな脱水)だと、循環血液量が低下するため【いったん低血圧】になりやすいです。
この①の状態から、②腎血流量が低下するとRAA系やバソプレシンが賦活されるため、尿量低下や血管収縮がみられ、結果として血圧を上げようとします。

水分が増えたパターン
①過剰に水分を摂取すると、循環血液量が増えて【いったん高血圧】になります。
この①の状態から、②体液量が増えてうっ血まで行く前に、排尿がみられ血液量を維持し、血圧も下げようとします。

ここで、血圧が低下やら上昇やらと、ややこしくさせている問題になってくるのが【腎臓】の状態次第なのです。※神経性因子は今回無視してます。
正常に機能していればこのような説明になりますが、心不全でRAA系亢進があったりすると、脱水時に過度に働いてしまい血圧が上がりすぎる可能性もあります。

重度腎不全では尿量が低下するため、循環血液量が増加し浮腫みます。よって水分制限が必要となります。

【※ご説明した血圧調整因子は、腎臓の調節系です。腎臓調節系は長期的に作用するものなので、最も重要とも言えます。
脳幹レベルでの圧受容器反射は、短期調節系なので、一時的なものです。】