返信先: 骨盤の前後傾が歩行にどのように影響しているかについて

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#5520
眞本匠
キーマスター

回答させていただきます。

正常歩行時の骨盤の動きは、10度程度とされています。
よって、過度に骨盤が動いている場合は異常と考えられます。

例えば過度な後傾が歩行時に見られる場合の問題点の一つとして、実際に骨盤後傾のまま歩行すると実感出来ますが、【歩行速度の低下】が見られます。

なぜなら、立脚終期の腸腰筋伸張ー短縮を活かした機能や足底屈筋の蹴り出し機能が活かしきれないことが、歩幅の短縮に繋がるからです。

他にも、骨盤後傾になると臼蓋の被覆率が低下します。こうなると、関節包や骨構造で股関節を守れないようになるため、筋に過負荷が生じ、疼痛が生じやすくなります。

これらより、股関節oaなどの股関節疾患がある場合や、歩行速度が低下している症例は、骨盤後傾を是正していく必要があります。

補足すると、運動連鎖としては膝が屈曲位となりやすく、大腿四頭筋への過負荷に繋がり得ます。膝伸筋弱化や屈曲位による跛行がある場合は、改善も求められます。

骨盤前傾の場合は、後傾時の問題は解決されています。むしろ蹴り出しもしやすくCPGも賦活されるため、歩行はしやすくなります。

なので、個人的には前傾の傾向がある程度であれば、そこまで気にはしないですね。

ただ、過度な前傾となると話は別です。
なぜなら前傾は腰椎伸展位を連鎖しやすく、椎間関節へのストレスになりやすいです。

よって、腰痛を惹起したり、姿勢異常を招くことも少なくありません。

基本的には前傾の傾向を目指し、腰痛には注意する。が基本的な考え方です^_^