返信先: THAの正座動作について

ホーム Question&Answer 質問コーナー THAの正座動作について 返信先: THAの正座動作について

#5990
池田拓未
キーマスター

回答させて頂きます。

THA後に正座に対して困難感が生じることは多く経験します。
それがそのままQOLの質を低下させているケースも多いです。

その制限因子としては
①大腿直筋の伸張痛
②脱臼への恐怖心
この2つが多い印象にあります。

①については、術後の脚延長によって大腿直筋が過度に伸張された場合に、股関節屈曲位である正座でも伸張痛を訴えることがあります。
ですので、股関節伸展可動域、Ely test などから評価した後、必要あればストレッチを実施します(筋スパズムの場合は、リラクゼーションが好ましい)。

また②については、正座になる際、あるいは足を崩す際に、横座りになる可能性があり、これは術後に禁忌肢位とされているはずです(後方アプローチの場合)。また正座から立ち上がる際に体幹を前傾させてしまうと、これまた股関節屈曲角度が増大し、危険です。こういった脱臼と隣り合わせの動作は恐怖心が残存している可能性があります。こういった場合は、ある程度期間が経過しているのであれば、動作指導と反復練習で改善することが多いです。

今回、膝の伸展制限と関連付けてお考えかと思いますが、その点に関しては、それほど関係性がないように感じております。