返信先: 炎症反応に対するアイシングについて

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#6584
池田拓未
キーマスター

回答させて頂きます!

もともと組織損傷の急性期対応として、RICE処置が提唱され、そこから年々PRICE、POLICEという流れを辿っています。ここまでの「I」という字は全てIcingを意味しています。

ただ最近は「PEACE and LOVE」¹⁾というものが提唱され始め、ついにIcingは消えてしまいました。


2021年にはこういったことが報告され、アイシングが筋肉損傷の回復を遅らせるということが判明しました。

おそらくこの報告を機に懐疑的な意見が錯乱しているように感じます。

ただこれには大きな問題点がありまして、このツイートのコメント欄をご確認下さい。

「アイシング=筋損傷の回復を遅らせる」というのは、少し拡大表現であるとの議論がなされています。
これは自分自身も勉強になったのですが、対象が「マウス」であり、さらにはその方法としては「ポリエチレンの袋に氷を入れて皮膚の上から30分間、2時間ごとに3回行い、これを損傷2日後まで継続した」というものです。

この対象と方法を全てヒトに当てはめてよいのか?目の前の患者さんに当てはめてよいのか?というのはまさにそのとおりです。

懐疑的な意見が流れている中で、ここを拡大解釈してしまうと、アイシング=悪となってしまうような気がしますので、このあたりは吟味が必要です。

ただ少なからずこういった流れによって、アイシングについて様々な意見が語られ始めたのは間違いないのかなと思っています。

以上、少しでも参考になっていれば幸いです!

1)Dubois B et al. Soft-tissue injuries simply need PEACE and LOVE. Br J Sports Med. 2020 Jan;54(2):72-73. 

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