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回答させていただきます。
まずここでいうヘルニアは、
線維輪の中にある髄核が後方脱出することを指します。
つまり、禁忌というのは髄核後方脱出を助長する動作。として解説していきます。
仰る通り、椎間関節の前屈動作により髄核が後方に移動しますし、また反対に伸展動作により髄核は前方に移動します。
よって、前屈動作は基本的に【控える肢位】です。
ただ、これはあくまで外観からみた【肢位】だけの話です。
ここに筋収縮要素は加味されていません。
椎間板の圧縮荷重を増加させる要因というものがあります。これが、【控える肢位から禁忌と考えるべき肢位】へと変化させると考えています。
具体的には、筋収縮、体重などです。
例えば座位で前屈をする時でも、両手を大腿部に手をつきながら前屈した時と、両手をバンザイしたまま前屈した時では、後者が明らかに腰痛やヘルニアの症状が強く現れます。
これは筋収縮増加による椎間板負荷増加が原因です。
具体的な例を他に示すと、
座位で手をついて前屈しても下肢症状が出てしまう場合は、筋収縮による圧縮が少ないにも関わらず症状が出ているので、前屈に対する指導はかなり厳しくするべきと考えられますし、
また、座位前屈+両手バンザイでも症状が出ずそこから物を持つと下肢症状が出る場合は、かなりの筋収縮による圧負荷がかかるとヘルニアが増悪する。と考えられ、少し動きの制約は緩くしてもいいかもしれません。
結論としては、ヘルニアの禁忌(に近い肢位)は、
【前屈動作+強い筋収縮】となります^_^
なので、ストラクチュラルエクササイズをする際は、腰椎後屈に注意して、下肢症状や腰痛が無ければ絶対禁忌とまでは考えませんが、ふとした時に腰椎が前屈方向に動くリスクを考えると、仰る通り、他エクササイズを代用する方が安全とは思います^_^