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2021年9月19日 10:30 PM
#774

キーマスター
ご質問ありがとうございます。
身体機能が不明ということで核心に迫ることは難しいのですが、本症例のポイントは”腱板断裂疑い”というところだと思います。
現代人は高齢であれば自覚症状がなくとも、2〜3人に1人は腱板が断裂しているとされています。もしも腱板断裂があれば断裂部位にもよりますが、インナーの出力が発揮できないため、アウター優位での屈曲動作(三角筋や上腕二頭筋など)が遂行されることが考えられます。
この状態に陥ってしまうと、動作開始時はある程度安定した動作が可能であっても、屈曲に関与している筋が少ないために一定の筋への筋疲労も自ずと早くなります。さらにはアウターが優位になることで、上腕骨頭が上方変位し、肩峰下インピンジメントを引き起こしてしまう可能性もあります。
このあたりの筋疲労と痛みが徐々に肩の屈曲動作が困難になる原因だと考えられます。
利用者への説明としては、”腱板断裂”の病態を上手く伝えることが大切だと思います。
「肩は表の筋肉と中の筋肉が協力しあって肩を動かしています。腱板というのは中の筋肉でして、そこが断裂していると、上手く使えなくなります。そうなると表の筋肉だけで肩を動かすことになるので、徐々に疲れてきますし、時には痛みも引き起こします。」
僕はいつもこのようなことを骨模型や解剖書を患者さんに提示しながら説明しています^^