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回答させていただきます。
まずは、バランスとは何か?バランスが良い、悪いとは何をもって考えられているかを患者様と【バランスという用語の意味の共有】をする必要があるかと思われます。※バランスという用語は使い勝手が良く一般の方も使うので、意味が広すぎてしまうので。
その回答次第で、言葉の選び方も変わってきますので、ぜひ確認をしていただきたいです。
今回は、【バランスが悪い=フラフラすること】
と定義しての解釈についてまとめますね。
私なりの、フラフラされた方に対しての評価ルーティンにに沿ってまとめます。
【筋活動とバランス】
静的バランスにしても動的バランスにしても、
まずは必要とされる筋活動がそもそも大きいのか?についての知見をまとめておくといいかと思います。
例えば、正常歩行はMMT3+あれば可能ですし、その中で最も必要なのは下腿三頭筋の蹴り出しとされています。
片脚立位なら、股関節外転筋の需要が高いですが、最も必要なのは小殿筋です。
この他にも、課題次第(歩行や片脚立位等)で、どの筋がどれほど必要か?というのは多くの報告があります。
その部分を患者様に当てはめ、十分に備わっているか?
を評価に落とし込み、患者説明やアプローチへと繋げています。
【骨の支持性】
これも重要ですね。先述した筋力の部分に問題が無いとしても、骨の支持性がなければ、筋力なんてMMTが5でも関係ありません。フラフラします。
いわゆる骨折後で仮骨状態であるor荷重ラインの骨のどこかが転位している。なんて時は、まさにフラフラします。
【感覚ー認知機能】
主には、視覚・前庭・体性感覚の三つが正常に機能しているか、そして認知機能に問題がないか、の流れですね。
閉眼、足底感覚、位置覚、その併用といった評価を行います。疾患からくる感覚障害であれば、中々改善はしにくいかもしれませんが、【感覚の重み付け】があるため、視覚障害がある方の場合は、訓練により他の二つの感覚要素への重み付けが増し、結果的にフラフラが改善したりはよく臨床上経験します。
代表的なのはこの辺りですが、姿勢や床反力でのバイオメカニクス的視点での解釈も重要です。
どの方向にフラつきやすいのか、どの筋が負荷がかかりやすいのか、等を評価することもポイントですね。