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ご返信ありがとうございます!!!
この患者様情報から個人的な見解をお伝えさせて頂きます。
まずバドミントンという競技特性から、高打点でのスマッシュが必要とされます。
そのため、少なからず肩の自動可動域は他動と同じレベルまで持っていきたいところです。
現在の自動と他動のラグは20°。この20°は何が原因かがこの患者様のHOPEを叶えるための鍵を握っていると考えます。
肩の運動学から考えると、挙上時には肩の外旋可動域が必要とされます(外旋することで肩峰下を大結節が衝突せずに通過できる)。
この外旋可動域が現状20°ということで、この外旋可動域の改善が必要です。中でも1st外旋の可動域制限は挙上制限に直結するとも言われています。
この患者様においては外旋時に肩前方部痛の訴えがあるため、現状の制限は”痛み”によるものかと思います。
痛みによって上手く筋発揮できずにラグが生じている可能性があります。
痛みの原因として考えられるものは主に
前上方組織(肩甲下筋上部線維や烏口上腕靭帯など)自体の伸張痛?
滑走不全に伴う摩擦による痛み?
伸張性低下に伴い上腕骨頭の前方変位を阻害し、前上方組織と上腕骨頭の衝突による痛み(外旋時上腕骨頭は前方変位する)?
このあたりが挙げられます(lift offが陰性ということで収縮時痛はないと仮定しております)。
と考えると、まずやるべきこととしては今一度前上方組織の伸張性確認、筋収縮と伸張の反復により疼痛が出現するのか確認(エコーがあれば滑走不全を可視化することも可能)、外旋時の上腕骨頭の動態を左右で比較。
これらを再評価して頂くことをオススメ致します^^
ただあくまでまだまだ細かな評価(画像所見やMMT、肩甲胸郭関節を始めとした周辺関節の状態、Drop arm以外の腱板断裂に纏わるspecial test)が必要ですので、今ある情報からの仮説をお伝えさせて頂きました!!!