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#934
眞本匠
キーマスター

お待たせいたしました。

今回のご質問について、色々とリサーチをかけたのですが、科学的根拠が伴った返答が出来そうになかったので、
私の【私見+歩行の研究】を交えた回答とさせていただきます。

私の臨床での考え方は、「下肢筋疲労による歩容の変化」が主原因だと考えています。
私の臨床でも、長距離歩行後に突進様歩行をしている方は、共通して下肢筋が疲労しています。
これを文献を交え解説します。

まず、疲労により
①バランスが低下し、歩行周期全体での加速度値のばらつきが拡大する。
②遊脚期に、地面と水平に足をスライドさせるように歩く。
③前脛骨筋の筋疲労により歩行リズムの不安定化

これらが研究で明らかになっています。
よって、長距離歩行後の筋疲労により上記1〜3が相まることで、突進(様)歩行を呈していると結論付けさせていただきます。

【補足】
立脚後期に伸張される軟部組織が、歩行延長することで組織負荷の増大に繋がります。
例えば大腿直筋や腸腰筋が元から少しタイトぎみな方の場合、歩行により徐々に負荷がかかると、立脚後期の制限に繋がり立脚期短縮に最終的に繋がってしまうと考えます。
これが、「立脚期時間短縮=突進様」にもなり得る。

以上です。
個人的な臨床では、股関節伸展で伸張される組織の長さを評価し、硬い部分にアプローチ。そして疲労しやすい筋の持久性を評価し、筋持久性アプローチ。と考えています。