返信先: 膝屈伸時の運動学について

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#939
池田拓未
キーマスター

hamaさん!ご質問ありがとうございます^^

”膝の屈伸時の運動学と筋の作用”に関しては後日Sharing Answerにて回答致します。

”40代男性で心当たりはなく歩行時にズキンッと痛みが走り屈伸をしようとする時に痛くて90°以上深く膝を曲げれない”
この患者様の見立てはどうする?

このご質問に対してここではご回答させて頂ければと思います。

あくまで個人的な見解にはなりますが、この情報のみでは推測が難しいのですが、まずは”半月板損傷”を疑います。
というのも、比較的若年であることや転倒などの外傷がないことを前提とすると、骨の変形や骨折は考えにくいと思います(可能性としてはゼロではないので、画像所見、炎症所見の確認は必須)。
その上で軟部組織由来の疼痛が考えられますが、既往歴がないにも関わらず瞬間的に90°以上の膝屈曲が困難となるのは、半月板の挟み込みによるものが臨床上は多い印象です。
歩行時に接地が上手くいかず、膝に対して過度なせん断力や捻転力が加わり、半月板損傷が起こると、屈曲に伴う半月板の後方移動が円滑的に進まずに、関節面で挟まれて疼痛を惹起することが考えられます。

そのため、評価としましては、この仮説を立証するために、MRIやエコーにて半月板損傷を確認し、もしも画像がないのであれば、半月板損傷に用いる整形外科テスト(McMurrayテスト、Apleyテスト、Thessalyテスト、Egeテスト)を実施します。これらの整形外科テスト(Egeテスト以外)は感度よりも特異度が高い検査となりますので、確定診断として有用です。簡単に言い換えますと、陽性であれば半月板損傷である可能性が高いということになります。

このような流れでまずは”半月板損傷”を疑うというのがこの患者様に対しての私なりのファーストチョイスになります。参考になっていれば幸いです!!!