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2021年10月11日 9:35 PM
#954

キーマスター
ご質問ありがとうございます!!!
✓局所痛(one finger sign)と広範囲痛(palmar sign)について
局所痛であればその部位に障害を認めることが多く、広範囲痛ではその部位に必ずしも障害を認めるとは限らない。こういったことが言えます。
そのため、肩関節周囲炎の炎症期では肩峰下滑液包炎や腱板炎、それらに伴って血管、神経絞扼も絡んでいるケースが多く、局所痛ではなく、広範囲痛を示すことが多いです。
✓病期の区別
炎症期、拘縮期、解凍期は諸家の報告があるのですが、それぞれ4ヶ月、4ヶ月、4ヶ月の期間を有するというのが一般的です。
ただ個人差は大きいので、一概には言えないのですが、個人的に病期を区別するためには”痛み”と”拘縮”を目安にしています。
炎症期では最も痛みが強く、徐々に消失していきます。拘縮期では最も拘縮が強く、徐々に改善していきます。
そのためこれらを参考にすると、ざっくりとした病期は区別できるはずです。
ただ臨床上は炎症期〜拘縮期の移行期をくすぶっている患者さんが多い印象でして、炎症期と拘縮期を明確に区別することは難しいと思います。
✓アイシングの効果
炎症期であればアイシングは有効です。ただ先程も申し上げたように拘縮期との移行期であれば、炎症が沈静化し始めているので、アイシングの効果は乏しくなってくるかと思います。そのため個人的にはアイシングの優先度はそれほど高くありません。
それよりも炎症期には疼痛誘発動作を避けること、夜間のポジショニング、服薬の徹底、可能な範囲での拘縮予防、これらを優先しております。